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2004年 叔父の記録 No.3

ここまで書いて私はこの記録を書くのを止めた。この先は叔父の家族で解決していく方がいいと思ったし、父のことと重なり辛くなるのも正直な所だ。そのため時々、日記に叔父の事を書く以外はほとんど記録として残していない。

この後の簡単な経過は、叔父は国立がんセンターへセカンド・オピニオンを受けそのまま転院し手術を受けた。腸のがんと転移した肝臓の癌は全部取り除いた、と言うことで後は経過を見るだけだった。

私はガンセンターへお見舞いへ行き、叔父と再会。手術後で辛そうであったが、自分が納得をした上での手術であり、成功したことにも喜んでいた。 その後、電話やファックスでやり取りを交わしていたが、ある日連絡が無くなった。心配で電話をしてみると、肝臓の癌が再発し手術をするとの事。2回目だ。これには叔父はショックを受けたようであったが、腹をくくった様子で「人生で3回目の手術だ。大体腹の何処を切るって言うんだ?」などとおどけて見せた。

このときもガンセンターへ見舞いへ行った。叔父は2回目の手術も成功したので安心したと言っていた。又、私の父と同じ年まで生きれればそれでいいと、つぶやいた。 その後、同じように電話とファックスでのやり取りをしていた。父の法要が昨年末にあったがそれには体力が不安で行けない、と残念そうだった。しかし、そのうち生まれ故郷を見に帰る、と言った。叶って欲しい。

そして、私は夢を見た。叔父が深刻な状態でベッドに寝ているというものだった。 電話をしてみると、日記に書いた通りで、あのベッドで抗がん剤を点滴しながら寝ている。 きっと叔父が自分の判断で手術を拒否したのだと思う。抗がん剤治療の選択が間違っているのか、正しいのか、それは誰にも判らず又考える必要も無い。ただ、叔父の意思に従った治療が出来るということが一番大切であると感じている。 だからなのか叔父からのファクスには悲壮感は感じられなかった。

連絡を受けてから叔父との色々な事を思い出した。 私が子供の頃、叔父は自宅から1時間ほどのところに住んでいて、私の家に来る時にはいつもプレゼントを持ってきてくれた。そして、小学校の何年生か記憶がないが、その時叔父は茨城へ引っ越してしまった。最後に私に持ってきてくれたプレゼントであるクレヨンは今も大切に持っている。

その後、私は父に連れられて茨城へ遊びに何度も行った。上野動物園のパンダが見たいというと、仕事の休みの日には連れて行ってくれた。だが閉園後でパンダは見られず、一人で窓口まで交渉に行った。戻ってくると「これで我慢しろ」とパンダのぬいぐるみを抱えていた。 父と私と私の弟と、叔父の家族で温泉へ行ったこともある。毎日雨ですることが何もなかったがそれでも楽しい思い出となった。 猟が趣味だった叔父が飼っていたポインターが大好きで、その年に叔父の家に行った時には子犬が産まれていた。可愛くて仕方がなく、家に帰りたくないと泣いた。 又、中学生になった時「おしゃれも必要だろ。東京で買い物をして来い」とお小遣いをくれた。田舎物の私には東京で服を買うなんて宙にも舞うほど嬉しかった。 叔母は本が大好きで、暇な時にはいつも叔母の本を読みあさり私は読みたい本を買わなくてよかったほどだ。叔父は私たち子供に花札を教え自分も交えて花札で盛り上がった。まじめな叔母は反対したが「バカだな、知っていて損はしないんだよ」と意味の判らない理由をつけて叔母を困らせていた。叔父が「記念に持っていけ」とくれた花札は今も持っている。 「社会勉強だからな」と叔父の行きつけのスナックへ連れいかれ中学生の私は戸惑ったこともある。時にパーマのしくみを詳しく教えてくれた。私はどうして髪にパーマでカールが残るのかを知っている。こうして思い出すと数え切れないほどの思い出がある。内緒の話だが親戚中でこの叔父が一番好きだ。 

叔父が一日も長く元気でいられるように、と願っている。 又、日記やメールでコメントを下さった皆さん。 本当にありがとうございました。 離れているので思うようには行きませんが、これからも叔父を見守っていきたいと思っています。

 

 

 

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私が叔父を愛する気持ちは振り返ってみると子供のころからだったように思う。どうして何人かいる親戚の中で叔父の事だけを取り上げていたのか、それは叔父が好きだったこともあるが叔父が叔父らしく生きることを私は励みにしていたからでもある。

今はあちらの世界へ旅立ったがそこでも叔父らしさを貫き、いつか私とコンタクトをとってほしいと切に願っている。

 

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「父」 参考書籍」 グリーフ・ケア」 情報(cancer)」 他」 

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