靴修理

気に入っていたブーツの底が取れてしまった。底のゴムは歩いていた時に無くしてしまったみたい。

いつも行くショッピングセンターの中にある修理屋さんへ行って店番のおばさんが対応してくれた。金額がかかるようなら買った方が安いので、修理の見積もりをってくれることになった。

店長さんが電話をくれて、結果、それなりにかかるようでもう少し足せば買える金額。底のゴムがあればそれほどかからないんだそう。

いつもお店の前を通っていたのだけれど、話しかけづらい人だったのだけれど電話を通すと優しそうな感じがした。

違う靴も底がはがれてきたのでこの靴を修理してもらうことにしたが、このブーツは処分しておいてくれると言う。

昨日やっと行って来た。

「あの~、ブーツの修理をお願いしたsakura-mamaです。ご迷惑をおかけしました」

「あ~、あなたね?」

と、処分したはずのブーツを持ってきた。

「処分前だったんですね。持って帰ります。処分しますから。」

「これ、まだ履けるじゃやない? もったいなくない? いいブーツだよ。」

「いいんです。あきらめることにしました。」

「気に入ってるんだろ? 治してあげるよ。利益なしでやるよ。」

「いいんです。そこまでして下さらなくても。随分履いたものなので」

「やってやるよ。利益なしの200円引き。どうだ?」

「はぁ?」

「はははっ。冗談だよ。利益が200円のわけねぇだろ(笑)」

内心、何がおかしいんだ?とこのおかしな人に反応ができず呆然。

「真面目な話、気に入ってるんだったら治してあげるよ。〇〇円でいいよ」

〇〇円は伏せておくが半値以下。私はこの冗談に付き合うより早く帰りたいと思っていた。

私は丁寧に断った。しかし、この人引き下がらない。

「ほんと、いいブーツだよ。これ、似合うと思うよ~。〇〇円ならいいだろ? ちゃんと直してあげるから」

まじかよ?

「そっちの靴はどうなの?」

としげしげ見たあと

「これは直すのは難しいな。大体、この靴のどこが気に入ってるの?」

あなたね、それ必要? と思うも

「裾の長いジーンズがあるけど、その靴のヒールの高さがそのジーンズにぴったりなんです」

と、クソ真面目に答え私がバカだった。

「うちの嫁さんも似たようなこと言うんだよな。君が僕のヨメさんだったらアホか?って言ってるよ。」

「アホって。。。。。」

「そうだよ。オレのヨメ35才なんだ」

「は? 35? 歳の差ありですね」

「はははっ。信じた? 実は5歳上の52」

フリーズ。はよ帰りたい。

とはいえ、アホっていうのは冗談に決まっているとフォローはあった。

 

 

そういえば、私が店に行ったとき一人の男性と会話していた。その男性は通路を挟んだ向こうにある椅子に座っている。

「あいつさ、まだいるんだよね」

「お友達ですか?」

「なわけないだろ? あいつ、このショッピングセンターに毎日来て時間をつぶしてるんだよ。生活保護を受けている奴でさ、少しあまたがね。。。友達がいないみたいで相手が欲しいんだよ。だから時々相手してやってるんだ。時々お金を貸せって言うこともあるけどね」

「お金を貸す? お友達じゃないですよね?」

「そうだ。知らないやつだ。でもな、返すんだよ絶対に。親もいないし、孤独だしやることないしな。そうなるとお金の貸し借りでもいいから誰かとつながりたいんだよ。それが判ってるから少しの金額を貸して少し話して、少し孤独が減ってんじゃないかな?って思ってるんだ」

 

 

と言い、最後に

「この靴もちゃんと直しておてやるから。安心しな。どっちも良い靴だよ。ちゃんと履きな。」

 

 

 

驚きと笑い、そしてよくわからないけど感動の時間を過ごした。

 

 

 

 

 

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